和風総本家で紹介 鎌倉「くずきりみのわ」と東京のおすすめ店ところてんとの違うの?
くずきりを求めて鎌倉へ!
6月21日の和風総本家では、鎌倉の味を支える人々を特集します。その中のひとつとして取り上げられるのが「くずきり」です。
そもそもくずきりって、何からできているんでしょうか。ところてんとは違うの?
鎌倉で有名なくずきりのお店「くずきりみのわ」のこだわりや、東京にあるくずきりの名店もご紹介します!
くずきりってどんな食べ物?
くずきりの原料は「葛粉(くずこ)」。葛粉とは、葛というマメ科の植物の根っこから取り出したデンプンを乾燥させて粉状にしたものです。葛粉は水に溶かしてから加熱すると固まる性質を持っています。固まるといっても、プルプルとしたゲル状ですね。これを細長く切ったものが「くずきり」と呼ばれています。
ところてんや寒天とは違う!
くずきりと同じような形をしているところてん!混同しがちですが全く別物です。ところてんやスイーツとして使われる寒天は「天草」という海藻の煮汁を冷やして固めたものなんです。原料も異なりますし、冷やすと固まるという性質もくずきりとは違います。
葛粉は体を温める
「葛」という字を見て葛根湯を連想する人がいるかも知れません。その通り、葛は風邪をひいたときの民間療法に使われてきました。葛粉は血行を促進して体をポカポカにする働きがあるんです。じゃあ風邪をひいたときはスーパーに売ってるくずきりを食べよう!というのはちょっと待ってください!
葛粉は供給量が多くなく、葛を掘る人員の高齢化もあって葛粉はとても高価なものになっています。そのため、スーパーにならぶ安価なくずきりのほとんどは、じゃがいものデンプンを使った「くずきり風」のものになっています。残念ながらじゃがいもデンプンは体を温めるどころか逆に冷やす作用がありますので注意してくださいね。
くずきり みのわ
鎌倉駅の西口をひた歩き12分、銭洗弁財天に向かう途中に「くずきりみのわ」があります。瓦屋根の和風な建屋のみのわは、昭和46年創業なんだとか。観光の途中にふらりと立ち寄りたくなるようなステキな佇まいです。
どんな年齢の方でもくつろげるようにとお店の方が配慮した店内は、ごちゃっとしておらず落ち着いた印象があります。広い庭園には緑が溢れていてずっと見ていても飽きません。みのわのくずきりは注文が入ってから葛粉を溶くため少し時間がかかりますが、このお庭を見ていればあっという間ですね。
くずきり(920円)の器は二段重ね。上の段には黒みつがあり、下の段には氷水の中にくずきりが入っています。くずきりに限らず、黒みつや他のメニューに使われる材料は全て、朝からお店の方が仕込んでいるそうです。添加物を一切含まないので日持ちせず、食べられるのはこのお店だけ。さらに葛粉は吉野産の希少な葛粉だけを使っています。
出来上がったばかりのくずきりは、氷と見分けがつかないほど透明ですが、どんどん水分を吸い込んで白濁してしまいます。見た目の透明感が失われるだけでなく、弾力も低下。だから作り置きせずに注文が入る都度、葛粉を溶くところから始めるんですね。
住所 | 神奈川県鎌倉市佐助2-6-1 |
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交通機関 | 鎌倉駅西口より徒歩12分 |
電話番号 | 0467-22-0341 |
東京でくずきりがいただけるお店
紀の善
飯田橋駅から外堀通りを渡り、神楽坂通りに入ってすぐに「紀の善」があります。甘味処ですが、寒い季節には釜飯や赤飯弁当、鴨ぞうすいなども提供します。
お店の中はとても広く、全部で80席!やはり女性の姿が多いようです。このお店の看板メニューは抹茶ババロアですが、よく分かっているお客さんは作りたてツルツルのくずきりを注文するんだとか。
くずきり(1000円)はもちろんできたてが味わえます。白く濁ってしまう前に、氷水の中を泳ぐくずきりを箸でつかまえてくださいね。
住所東京都新宿区神楽坂1-12 紀の善ビル交通機関東京メトロ有楽町線・南北線【飯田橋駅】徒歩2分電話番号03-3269-2920
舟和 本店
創業当時は芋ようかんのお店だった「舟和」は明治35年創業。都営浅草線の浅草駅から徒歩8分、お散歩がてらにちょうどいいですね。浅草には甘味処がたくさんありますが、舟和はその中でも代表的なお店として知られています。
1階は持ち帰り用の甘味店、2階が喫茶になっています。お土産を買うついでに、と2階にあがってくるお客さんは多いでしょう。1階で美味しそうなモノを見せられたら立ち寄らずにはいられません。
くずきりセット(1090円)は冷・温のお抹茶どちらかを選べます。もちろん葛は吉野葛100%。さらに黒みつには高級砂糖の和三盆を使用。派手さのないくずきりですが、知る人ぞ知るスイーツです。
住所 | 東京都台東区浅草1-22-10 |
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交通機関 | 都営浅草線浅草駅下車 徒歩8分 |
電話番号 | 03-3842-2781 |
おいしいくずきりはお店でしか味わえない
完成したそばから弾力を失っていくくずきりを最高の状態で食すには、お店に行くしかありません。最高級の吉野葛を使ったくずきりを、ぜひ1度味わってみてはいかがでしょうか。
- 執筆者 - 山中いさお - バラエティー番組 - バラエティー番組 - お店紹介
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