• STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)劇場版 負荷領域のデジャヴ 感想 ツンデレを阻止せよ! ほら、行きなさい。

STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)劇場版 負荷領域のデジャヴ 感想 ツンデレを阻止せよ! ほら、行きなさい。

STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)劇場版 負荷領域のデジャヴ 感想 ツンデレを阻止せよ! ほら、行きなさい。

あらすじネタバレあり

 未来ガジェット研究所では、いつもと同じような日常を過ごしている。今岡部倫太郎がいるのは、シュタインズ・ゲート世界線。椎名まゆりや牧瀬紅莉栖が無事に過ごすことができ、他の世界線からの干渉を受けない世界線だ。岡部がこの世界線にやってきて1年が経った。
 

 何事もなく、ただ時間だけが過ぎるはずのその世界線で、岡部にある異変が起こりつつあった。
 牧瀬紅莉栖が学会に参加するため日本に帰ってきたことで、ラボメンが全員召集された。岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖のツンデレ対決により、一時は中止の危機に追い込まれたが、タイミングよくフェイリスと桐生萌郁がラボに到着したことで、岡部の計画どおり、屋上でのBBQが行われることになった。

 

 和気あいあいと過ごす仲間たちを見ていた岡部倫太郎に、一瞬別の世界線の記憶がフラッシュバックした。酔い潰れた牧瀬紅莉栖をラボに連れて来たあと、お開きになったBBQの後片付けで続々と皆が屋上から降りて来たとき、またもや記憶のフラッシュバックが岡部を襲った。

 

 ホテルでシャワーを浴びていた牧瀬紅莉栖に、謎の人物がメッセージを残した。「携帯電話、電子レンジ、SERNを忘れないで」忘れなければ何とかできる、と。

 

 牧瀬紅莉栖はコインランドリーに行きそこで岡部倫太郎に会った。岡部の白衣を繕うことになったのだが、ほつれを縫いながら会話をしているときに、突如岡部倫太郎が消滅してしまった。

 

 消えてしまった岡部のことを確かめるためにラボに飛び込んで行った牧瀬紅莉栖だったが、牧瀬紅莉栖の記憶からはすでに岡部に関することが消えていた。

 

 心に正体不明の違和感を抱きながら1週間を過ごしたとき、マイフォークが牧瀬紅莉栖にとって解明への手がかりとなった。謎の人物の言葉を思い出し、橋田至に連絡をとった牧瀬紅莉栖はラボへ急ぎ、タイムリープマシンを作り始める。

 

 完成したマシンでタイムリープした牧瀬紅莉栖は、BBQをしている時間へ戻った。しかし、岡部倫太郎が消えたり現れたりし、そのたびに、みんなの記憶の中で岡部が消えたり現れたりするのだった。

 

 電話で呼び出された牧瀬紅莉栖の前に正体を現したのは、阿万音鈴羽だった。未来の牧瀬紅莉栖が作ったタイムマシンで時を遡って来たという。

 

 阿万音鈴羽は今岡部倫太郎が置かれている状況を説明し、観測者である岡部が世界線の揺らぎを過敏に感知し、記憶をコントロールできなくなっているため、消失してしまうのだと言った。

 

 阿万音鈴羽が岡部倫太郎を救うために、タイムマシンで過去にやって来たのだと言ったが、岡部はそれを拒否した。牧瀬紅莉栖が作ったタイムリープマシンも、タイムマシンも、あってはならないものなのだと言う。手段がある限り、人は自分の望む世界へ到達するまで何度でもやり直し、それは悲しみと辛さを増幅するだけなのだから、と。

 

 岡部が消失したとき、牧瀬紅莉栖は記憶の糸をたぐり寄せ、再びタイムリープマシンを作ろうとしたが、椎名まゆりがそれはいけないことだ、と牧瀬を止めた。

 

 岡部倫太郎が望む、牧瀬とまゆりが無事に過ごす世界線、そこに甘んじることを決めた牧瀬紅莉栖だったが、時間が過ぎるにつれて、みんなの心に喪失感や寂しさ、意欲の減退などが見られ始めた。ラボも存続が危ぶまれている。

 

 阿万音鈴羽は牧瀬紅莉栖に行動を起こさせるため、牧瀬の心に訴えた。岡部のいない世界で生きていくことが、本当に耐えられるのか、受け入れることができるのか。

 

 牧瀬紅莉栖は決意し、タイムマシンに乗り込んだ。岡部倫太郎の脳に、シュタインズ・ゲート世界線が確かな現実なのだと認識させるために、2005年へと向かった。

 

 少年時代の岡部倫太郎を探し当て、話があると呼び止めようとした牧瀬紅莉栖は道路を渡るときに転んでしまう。牧瀬が見たのは、自分を助けようとしてトラックに轢かれる岡部の姿だった。

 

 岡部倫太郎が抱いていた無力感を、今度は牧瀬紅莉栖が味わっていた。
 みんなの記憶の深層に、岡部倫太郎がいることに気付いた牧瀬紅莉栖は、再び過去へ行くことを決意した。

 

 2005年で牧瀬紅莉栖が、立場や倫理観を越えて自分自身を見つめ、自分自身の気持ちをはっきりと認識することができたとき、初めてどうしたいのか、どうでありたいのかが分かった。駅のホームのベンチに座っていると、隣に腰を下ろしたのは岡部倫太郎だった。

 

 まゆりに対する自分の無力感に悩む岡部倫太郎に、牧瀬紅莉栖は、鳳凰院凶真の話を始めた。それは悲しい人ではなくステキな人だったのだ、と牧瀬は言った。少年の岡部にキスをして、椎名まゆりの元へと向かわせた。

 

 椎名まゆりを守ろうと抱きしめる岡部を見守る牧瀬紅莉栖と阿万音鈴羽の姿があった。
 不安定な世界線に岡部倫太郎はいた。そして、牧瀬紅莉栖とともに、安定したシュタインズ・ゲート世界線へと踏み出した。

感想

 スペシャル版「横行跋扈のポリオマニア」は、このための導入だったのですね。
 アルパカマンがいつの間にか妻を迎え、子までなしていたとは。でも、これってどういうソフトなんでしょう。ただ、じっとしてるだけのアルパカマンしか見てないんですけど。

 

 牧瀬紅莉栖が空港に到着したとき、物陰から見ている阿万音鈴羽のジャケットに、命と愛のバッジがついてるのがズームされましたけど、これがテーマなのかな。

 

 橋田至にお友達ができたそうで、阿万音鈴羽のお母さんなんですね。阿万音由季。この時点ではまだ会ってないみたいだけど、ダルのPhotoshopの加工度、凄すぎる。シリアスバージョンだと橋田至はこんな風になるんですね。

 

 牧瀬紅莉栖が帰ってきたのを一番喜んでるのが岡部倫太郎のくせに、どうなんでしょう、この二人のツンデレ振りは。牧瀬が椎名まゆりたちにお土産を渡したとき、ポケットに隠したもの。それが、アメ横にわざわざ行って買ってきた牧瀬紅莉栖に渡すマイスプーン&フォークなんですね。牧瀬紅莉栖は牧瀬で、岡部用に白衣を買ってきてるのに、お土産はない、だなんて言ってるし。

 

 牧瀬紅莉栖に立ち去れって言って後悔してるくせに、幻聴だの有り得ない電波受信だとか照れ隠し、フェイリスたちがグッドタイミングでやって来たことにホッとしてる岡部はなんという不器用者なんでしょうか。

 

 天才少女はお酒弱かったんですね。ってか、もしかして初めて飲んだのでしょうか。絡み方が可愛いですね。さすがの岡部倫太郎もたじたじです。

 

 この作品の中では機関や陰謀なんてのは一切なくて、心を描いているんですね。

 

 シュタインズ・ゲート世界線に至るまでに過ごした3週間は、岡部倫太郎にとって単純に500余時間ではなく、繰り返した分だけ加算された時間、もの凄く長い時間だったわけで、そのたびに傷つき悲しみ、挫折感を味わったことを考えると、いつ心が壊れてもおかしくないって思えます。

 

 世界瀬の揺らぎに過敏になってしまうのも納得できます。でも、まゆりと牧瀬のことだけで十分っていうのは、岡部が自分自身で選択肢を狭めてしまった結果ですよね。岡部に止められて、自分の倫理観に基づいて、行動を起こさないことは牧瀬紅莉栖の選択。

 

 ただ、それは本当に自分が望むことなのでしょうか?

 

 岡部倫太郎は自分もそこにいて、ともに幸せに過ごせる世界が理想だったはず。牧瀬紅莉栖も岡部のいない世界で、記憶だけを残して生きていくのは耐えられないはず。だったらどうして模索しようとしないのでしょう。

 

 だから、見ていられなくて阿万音鈴羽が背中を押したのですね。

 

 何度か、「この場面以前にもあった」という現実の世界での既視感は確かにあって、それが世界線の移動だとしても納得ができてしまいます。みんなも喉の辺りまで来ている記憶の断片に気づき始めてて、結局、リーディング・シュタイナーっていうのは、認識して始めてわかるもの。

 

 「俺のことは忘れろ」という岡部倫太郎は自分の経験を踏まえて言っているのかもしれないけど、そういうのは優しさなんかじゃない、と思います。残された者にとっては、方法があるのなら、実行したいと思うのだから。

 

 一切なにをする術もないというならあきらめもつくけれど、そこに方法があるのなら、それを奪うことは思いやりというベールで隠したエゴでしかないと思うのです。
 

 もう一度タイムリープマシンを作ろうとした牧瀬紅莉栖を止めた椎名まゆり。まゆりがそこで止めたから、牧瀬紅莉栖は岡部のいない世界で生きることを決め、そしてそれが間違いだってことに気づくわけです。

 

 ラボは、やっぱり岡部倫太郎がいてこそのラボだったわけで、主のいないラボが解散の危機を迎えるのも当然のこと。

 

 牧瀬紅莉栖に決心させてくれた阿万音鈴羽に感謝ですね。

 

 一度は失敗する牧瀬紅莉栖、そこでさらに岡部林太郎の無力感を理解します。二度目を踏み出すまではさらに悩み、葛藤するわけで、最後にハッピーエンドを迎える二人には、揺るぎない結びつきとなったわけですね。

 

 機関の妨害や世界の支配構造の変革を期待していた人にはジャンル違いに感じるかもしれません。

 

 さて、次は牧瀬紅莉栖を救えなかった世界線へ移動です。

寄稿[Chaki524:女性]
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