シュタインズゲート23話後半のネタバレ解説 わかりづらい未来を司る女神作戦(オペレーション・スクルド)とは結局なに?

シュタインズゲート・ゼロの23話感想はこちらになります。
シュタインズゲート23話が一回で理解できませんでした
シュタインズゲートは23話の後半の怒涛の熱い展開が非常にすばらしいと思っております。
しかし、当方ゲームを未プレイのため15年後の岡部倫太郎が送ってきた動画「オペレーションスクルド」の説明がかなり早いため、特になんで一回失敗しないといけないの?
とか、なんで、倒れてる血まみれの牧瀬紅莉栖を見せないといけないの?とかを、当方は1回見ただけでは??となり、理解できませんでした。
と言うことで、23話後半のオペレーションスクルドについてもう一度まとめてみました。
まず
TVアニメ『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』公式サイトでは
未来を司る女神作戦(オペレーション・スクルド)
33歳になっても厨二病が抜けきらない、2025年の岡部が立案・命名した作戦。この作
戦の要は、7月28日の岡部が血だまりに倒れる紅莉栖を観測した事実を変えなけれ
ば、「紅莉栖の生死は関係ない」ことである。スクルドとは北欧神話に登場する、未
来を司る運命の女神の三姉妹のひとり。
StainesGate公式アニメサイト Story/Tipsより
と未来を司る女神作戦(オペレーション・スクルド)について記載されていますが、もう少し詳しく解説していきます。
15年後の岡部倫太郎のムービーメールの内容
- ・アトラクタフィールドに阻まれずに紅莉栖を救う事はできるが、方法が間違っていること。
- ・一度、牧瀬紅莉栖を救出することに失敗することはオペレーションスクルドの計画のうちであり、自分は失敗を経験したからこそタイムマシンを開発する執念を持ったこと。
- ・計画の成功の条件は2つ
- 中鉢博士がロシアに持ち込んだタイムマシンに関する論文を葬り去ること。
- 牧瀬紅莉栖を救うこと
- 「牧瀬紅莉栖が刺されて倒れている姿を過去の自分が観測する」という過去をなかったことにしてはならず、過去改変を起こしてはならないということ。
- 牧瀬紅莉栖が刺されているのを目撃したからこそ、実験中のダルに送ったメールを送りそれが偶然Dメールとなり、SERNに補足されα世界線に変動したこと。
そしてそれによって牧瀬紅莉栖と過ごし、ラボメン達のいくつもの想いを犠牲にし、世界線を旅してきた経験を得ることができたこと。 - いくつも世界線を旅してきたからこそ、牧瀬紅莉栖を助けたいと思うことができ、未来の岡部倫太郎はタイムマシン開発に全てを捧げる人生を送ることができたのだということ。
- 生きている牧瀬紅莉栖を過去の自分が死んだと思わせるように騙せれば、過去改変は起きないこと。
- タイムマシンの型式は『C204型』であり、頭文字のCはChristinaを意味していること。
- 目指す世界線を『シュタインズ・ゲート』と名付けたこと。
シュタインズゲートにおけるタイムパラドックスについて
まずタイムパラドックスとは、タイムトラベルに伴う矛盾や変化のことです。
タイムマシンやタイムトラベルといった技術が確立されておらず、タイムトラベルができるということを前提に、考えられる問題です。
タイムパラドックスの最も有名な例に「親殺しのパラドックス」というものがあります。
これは過去へ遡ったタイムトラベラーが自分が生まれる前に両親を亡き者した場合、どのような結果が考えられるのかというものです。
- どのようにしても絶対に亡き者にすることができない(矛盾を引き起こすことができない)
- 両親が自分を生む前に亡き者にされてしまうので自分も消滅する。しかし自分が消滅してしまうと「過去へ遡って両親を亡き者にする」ということができなくなるという矛盾が更に生じます。
自分が生まれてこないのですから親などおらず、過去へ遡ってしまっても亡き者にする対象がいないということです。 - 両親が亡き者にされ自分が生まれないという世界と自分が生まれる世界の2つのパラレルワールドが生まれ分岐する。
以上の3つに場合分けがされますが、タイムトラベルができるということを仮定して考えられる問題のためどれも検証や実験、観測を行うことができません。
シュタインズゲートにおいては「世界線」という概念のもと物語が展開していますので、タイムパラドックスに関しては主に③が適用されています。
そして岡部倫太郎のもつリーディングシュタイナーの能力によって岡部倫太郎の主観が過去を改変した前の記憶を維持したまま改変後の世界線へ移動します。ただし①も常に適用されています。
シュタインズゲートにおける因果性・因果律
世界線やリーディングシュタイナーのように派手な描写が作中にないので少しわかりづらい点ではありますが、シュタインズゲートの物語では因果性・または因果律というものが強く働いています。
因果性とは「結果と原因の関係」のことであり、因果律とは原因と結果には一定の関係性が存在するという原理です。
シュタインズゲートにおいて先述した通り、タイムパラドックスの①も働いており、一度決定した世界線の結果については一定までの過去の改変を行っても因果性の収束によって同じ結果へとたどり着いてしまいます。
シュタイズゲート作中では、まゆりの絶命という結果に対して、岡部倫太郎がラウンダーの妨害や逃亡、または過去改変といった行動を起こしても、過程は違えど同じ結果にたどりついてしまいます。
こういった因果の収束を作中ではアトラクターフィールドに捕らわれると表現されています。
α世界線というものは「まゆりの絶命」という結果が確定している世界線であり、多少過去を改変してもアトラクターフィールドという因果の収束によってその結果へと必ずたどりつきます。
このような考え方から作中では、β世界線は「牧瀬紅莉栖の絶命」という結果が確定していると岡部倫太郎は勘違いをしています。
β世界線で確定している結果とは何か?
15年後の岡部倫太郎が「確定した過去を変えてはいけない」というように確定している結果とは「血まみれで倒れている牧瀬紅莉栖を岡部倫太郎が目撃する」ということです。
この結果をDメールによって過去改変で解決させようとするとアトラクターフィールドという因果の収束により結果を変えることはできません。
また下手に世界線を変えてしまうと牧瀬紅莉栖を助けられるという可能性とまゆりの絶命の回避という二つが両立している今の世界線から移動してしまうことになります。
そのため、可能性が低くなってしまう、または可能性がなくなってしまう、確定している結果そのものが変わってしまう等といったリスクがあります。このリスクを作中では
「なかったことにすれば過去改変が起こり全てが失われる」
という15年後の岡部倫太郎のセリフにあたります。
15年後の岡部倫太郎は確定している結果は「血まみれで倒れている牧瀬紅莉栖を岡部倫太郎が目撃する」ことであると指摘し、
「だから、騙せ、お前自身を。紅莉栖がしんだという過去を変えずに彼女を救え。
生きている紅莉栖を過去の自分にしんだと観測させろ。
そうすれば過去改変は起きない」
と作中で15年後の岡部倫太郎が断言しています。
結局オペレーション・スクルドとは?
簡単に説明しますと確定している結果は「血まみれで倒れている牧瀬紅莉栖を岡部倫太郎が目撃する」ことです。
そのため完成しているタイムマシンだけを用いて、 “生きているが血まみれで倒れている牧瀬紅莉栖”を岡部倫太郎に目撃させて、牧瀬紅莉栖が絶命したと錯覚させ過去改変を行えということです。
これまでに岡部倫太郎が経験してきたこと全てがなければ15年後に岡部倫太郎がタイムマシンを完成させることもなく、ムービーメールを送り岡部倫太郎がそれを見ることもできません。
また牧瀬紅莉栖と共に過ごした経験がなければ岡部倫太郎は牧瀬紅莉栖を救おうと思うことはありません。そのためにむやみに過去改変を行い、世界線を移動するなと言っています。
未来を司る女神作戦(オペレーション・スクルド)の解説は以上です。