シュタインズゲート17話の感想と考察「大きな目標のために小さなことからコツコツと」

シュタインズゲート17話の感想と考察「大きな目標のために小さなことからコツコツと」

シュタインズゲート 第十七話「虚像歪曲のコンプレックス」

あらすじ

8月14日の夜、ラウンダーは過去の襲撃から一日遅れて姿を現し、まゆりはまたも命を落としてしまう。

 

タイムリープした岡部は、これまでの経緯を紅莉栖に相談する。

β世界線に行くためには、IBN5100を使ってSERNが持っている岡部たちのデータを消さなくてはならない。IBN5100を手に入れるために、これまでに送ったDメールをすべて取り消していこうという紅莉栖の仮説を元に、岡部は送ったDメールの順番で、フェイリスを捜しに向かった。

 

 そのときフェイリスは、「雷ネット・アクセスバトラーズ」の大会で負かしたヴァイラルアタッカーズに仕返しのために追われていた。岡部はフェイリスと一緒に秋葉原の街を逃げ回りながら、秋葉原から萌えを消し去ったDメールを取り消すようにと彼女を説得する。

 

 「メイクイーン+ニャン2」があった場所でフェイリスは、自らが送ったDメールの内容を岡部に告白する。

 

 フェイリスのDメールとは、10年前の飛行機事故で亡くなったはずの彼女の父を生き返らせる……というものだったのだ。

 

 ヴァイラルアタッカーズに追い詰められて窮地に陥った岡部たちだったが、駆けつけたフェイリスの父によって間一髪救われる。フェイリスの父にIBN5100の行方を岡部がたずねると、それも娘を救うためにすでに手放してしまったという。

 フェイリスは、まゆりの命を救うために永い夢から醒めること決意する。かくして、フェイリスのDメールは取り消され、秋葉原は萌えの街へとその姿を取り戻したのだった。

感想「大きな目標のために小さなことからコツコツと」

第十七話の感想です。

第十七話、まずは作中でも牧瀬紅莉栖が説明してくれましたが、岡部倫太郎の目的を整理しようと思います。

    • 岡部倫太郎の目的はまずはまゆりの未来を変えること。
  • 未来を変えるために必須であるIBN5100を入手すること。
  • IBN5100を入手するためには行方がわからなくなってしまった今いる世界線から柳林神社へIBN5100が奉納されている世界線へ移動すること。
  • IBN5100が奉納されている世界線へ移動するには、IBN5100が柳林神社に奉納されており無事にそれを岡部倫太郎が借りるという体験後に送られたDメールを遡ってひとつずつ取り消していくこと。

第十七話では、これまでに8月13日に起きてしまっていたまゆりの身に起こる事件は、第十六話で行った予想*1通り、結末はかわりませんでした。やはり未来を変えるということはたやすいことではないという念押しという印象を受けました。
 

 物語の展開ですが、こちらは第十六話での展開予想*1ではなく、第十二話での展開予想*2で行ったものが近くなりました。改変してしまった世界線を、まるで絡まってしまった糸を解くように元の状態へ戻していく作業がはじまりました。
 

 第十七話の感想を書かなくてはいけないのですが、視聴後に第十六話のタイトルについていた「不可逆」という言葉を強く意識させられてしまいました。

 

 不可逆とは変化したものは元の姿へ戻らないこと。岡部倫太郎の行っていることは世界線を戻すことではなく、正確には世界線移動することになってしまった原因のDメールの取り消しなのです。

 

 世界線を改変前に戻しているのではなく、過去を改変し移動してしまった世界線からできるだけ移動前に近い世界線へと移動しています。どんなにDメールを取り消そうと、何よりも絶対に変えることができないのは岡部倫太郎の記憶なのですから。
 

 第十七話の内容は、まず街を丸ごと改変させてしまうほどの変化のあったフェイリスのDメールについてでした。フェイリスが改変した内容とその結果についてわかったことは衝撃的であり、とても判断させるには酷な選択肢を突き付けてしまう結果となりました。

 

 岡部倫太郎の「すまない」という言葉に詰まっているいろいろな意味。フェイリスが覚えていないこと。フェイリスに酷な選択をさせてしまったこと。フェイリスの父親へ。鈴羽や未来の牧瀬紅莉栖…。

 

 たった一言ではありましたが、誰に対してなのか、何に対してなのかと簡単に想像でき、やっと絞り出せた一言であったようにも思えます。
 

 岡部倫太郎の持つ目的へ一歩踏み出し始めた第十七話。次回は順番的にるかとなりますが、フェイリスのように変わってしまったことがなんなのか気になると共に、酷な選択を迫ることにならなければいいなと思っています。

 

今後の展開予想

第十八話の展開予想

 感想でも触れましたが、順番としては次はるかの番です。Dメールの内容や変化については岡部倫太郎にとって全くの未知ではないものの、把握していない変化が明らかになるのではと思います。そしてその明らかとなった変化に優しい岡部倫太郎はまた傷つきながらもDメールの取り消しを行うと予想しています。

 

第十七話でのキーワード

  • 聞き取ろうと何度か全部把握しようとしましたが聞き取ることができなかった4℃の口上
  • アトラクタフィールド
  • IBN5100

全体の展開予想

第十七話までで分かった事柄から展開を予想しますと
 

 まゆりの回避のためにDメールの取り消しをひとつずつ行いIBN5100のあった世界線に近いものへと移動していく岡部倫太郎ですが、ロト6のDメールを消してもIBN5100は柳原神社に奉納はされていたが、紛失したということだけは変わりません。

 

 そこで取り消しを行っても世界線が戻るわけではないことに気づいてしまいます。そこで鈴羽を過去へ送りださずタイムマシンを修理する世界線へ移動し、今度はIBN5100柳原神社に奉納され紛失する前にタイムマシンを使い鈴羽を送りIBN5100を入手します。結果的にこれが紛失の原因となってしまいますが、入手したIBN5100を用いてSERNへ再度ハッキングをしかけます。

 

 これによりSERNに岡部倫太郎がダルへ送ったメールが補足されたことの確証がとれますが、あらゆるところにバックアップがあるなどの理由によってSERNのデータベースから直接削除することは不可能だということになります。

 

 削除できないのであれば、補足されなければいいということへ考えがシフトし、岡部倫太郎がダルへメールを送らないために再びタイムマシンで7月28日へ向かいます。メールの内容が牧瀬紅莉栖に事件が起こるということだったため、岡部倫太郎がメールをしない=牧瀬紅莉栖の事件を目撃しないことにするためには牧瀬紅莉栖の事件が起こらないという過去改変を行うこととなります。

 

 そしてダイバージェンス1%をこえるために牧瀬紅莉栖をラボに関わらせず、自分の専攻に専念するために陰ながら過去を改変し牧瀬紅莉栖はラボメンではなくなってしまいますが、8月15日以降、タイムマシンとは程遠いが今まで通りラボにて研究を行う日常が戻ってくるのではないかと予想しています。

 

 ただし岡部倫太郎はすべての記憶を受け止め胸にしまい込んで…。

 

考察

リーディングシュタイナー

第十七話でフェイリスも世界線の移動前の記憶を思い出すことができました。

  • 岡部倫太郎と時間を共有したこと
  • 岡部倫太郎のいうことを本心から信じたこと
  • 危機的状況に共に陥り、精神状態が極限まで追いつめられたこと

 

 などどんなことがきっかけであったのか、または第十七話で共に過ごしたことすべてが起こした奇跡の結果かもしれませんが、個人的には変化の指摘なのではないのかなと考えて居ます。

 

 岡部倫太郎という観測者ありきの考え方ですが、観測側が変化について細かく説明することやより具体的に変化前後の自分について深い繋がりのある場所につれていくなどで、世界線の移動の辻褄合わせで改ざんされた記憶に自分でほころびや矛盾に気づいてしまった時に思い出すのではないのかなと考えることもできます。

 

 例えばなのですが、十五話で鈴羽に未来の姿を聞いた牧瀬紅莉栖は「私がSERNに協力?冗談じゃないわ。人体実験をするような連中になんで私が」とSERNが人体実験をする事実を知っていたりします。

 

 IBN5100を使って解読しわかるはずであるゼリーマンズレポートの内容をIBN5100を探している世界線にいる牧瀬紅莉栖が知っているのです。

 

 もしこのことを指摘したらどうなるのでしょうか。ゼリーマンズレポートにロックはかかっておらずZプログラムについてだけは暗号化されていたなんて返答が返ってくる可能性はおおいにあるとは思いますが、第十七話でみせたフェイリスのリーディングシュタイナーに酷似した事柄も岡部倫太郎という観測者による指摘だったがきっかけだったのではないのかなと考えてみました。

 

第十七話の感想、展開予想、考察は以上です。

*1 第十六話記事

*2 第十二話記事

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