シュタインズ・ゲート全話の感想最初から最後までガッツリと楽しめた作品は久しぶりな気がします」

シュタインズ・ゲート全話+劇場版を視聴し終えての総評です。
シュタインズ・ゲートという作品を視聴し終えて、やはりこの作品は考え続けたからこそ面白いと思いました。
ただ物語の進行を観ているだけというだけでも楽しめる作品であるとは思いますが、作中でも描写がある考える人の像の模型のように、何かについて考え続けることでさらに楽しむことができます。
例えば電話レンジのリフターとは何かという問題です。ただ視聴しているだけでブラウン管42型という答えを得ることはできますが、作中にヒントが散りばめられ答えを導き出せるように作られています。
世界線、タイムパラドックス、相対性理論など言葉だけを聞くと難しく敬遠しがちです。しかし一つ一つ調べてみると作中での会話の意味が更に意味を深め、より理解して考えていくことができます。自分で考えてみること、これがシュタインズ・ゲートを更に楽しめるコツのようなものでした。
シュタインズ・ゲート第一話から第二十四話、第二十五話、劇場版と物語のエンディングが三つありました。
個人的には劇場版のエンディングがこれまでに引っ掛かっていたものを解消した上でこれからの明るい未来を想像できるので一番好きなのですが、これは少数派の意見かもしれません。
第二十四話のエンディングについては、よく映画「バタフライエフェクト」を比較としてあげられていますが、原作の企画の時点がバタフライエフェクトの公開時期よりも前ということもあるため、同じく2002年のアメリカ映画である「タイムマシン」という作品に強く影響されているのではという声もあります。
タイムマシン・タイムリープという事柄を扱うとき、空想上の技術であるため内容は似てしまうのかもしれません。
それぞれ物語は違うものというのは勿論で、シュタインズ・ゲートにおいては世界線とリーディングシュタイナーにおいて独自性を出していました。
シュタインズ・ゲートにおいてかかせない人物でありヒロインである牧瀬紅莉栖ですが、よくよく彼女のことを考えると相当な変わり者かもしれません。
相対性理論をロマンチックと言える女の子はなかなかの兵ですよね。正確には自分の思ったことを素直に言わすに相対性理論に引っ掛けて照れ隠しをしているのだと思うのですが…。
もしかしたら牧瀬紅莉栖には万有引力(質量を持つ物体同士は互いに引かれ合う力を持っている)に引っ掛けた口説き文句なんかも通用するかもしれませんね。ただしシュタインズ・ゲートのテーマである時間については万有引力は直接的に関係しませんので空振りしそうではありますが…。
岡部倫太郎という人物もとても特殊な主人公でした。なんといってもあの痛さが、第一話の時点でもう無理という方もいらっしゃったのではないでしょうか。
物語の序盤では感情移入ができない・させない、自己投影などもっての外、視聴者など置いてきぼりの姿勢でした。しかし物語を通して次第に岡部倫太郎のかぶっていた仮面が外れ、本音が見え隠れしはじめると不思議といつの間にか岡部倫太郎の背中を押している自分がいました。とっつきにくいですが不思議な魅力にあふれるキャラクターでした。
シリアスな展開が多く続くシュタインズ・ゲートにおいて個人的にはダルというキャラクターが決してブレないという点において癒しでありお気に入りなのですが、個性豊かなキャラクター達がまた別の語られなかったお話シュタインズ・ゲート ゼロでどんな風に動き回って物語を作ってくれるのか楽しみです。
総評は以上です。