オーバーロードⅡ 第6話『セバスの行い』

オーバーロードⅡ 第六話 『拾う者、拾われる者』 【あらすじ】
街を探索していたセバスは、そこで投げ捨てられた一人の女性と出会う。その女性を投げ捨てた男にセバスが問い詰めると、その女性は『八本指』という組織の所有物で、連れ出されるとまずいというのだった。しかし、彼はその制止を聞かず、自らの拠点まで持ち帰るのだった。
帰った彼は、その女性の治療をする。ひどい状態だった女性だったが、その女性はスクロールの魔法で治療できるようだった。セバスはその治療をソリュシャンに任せる。
女性は無事に治療され、体は回復する。彼女の精神にはまだ傷が残ったままだったが、セバスはここには危ないことはない、と優しい言葉をかけるのだった。
『セバスの行い』【感想】
セバスにとって人間はどういう存在なのか、ということが少し気になる回でした。
ナザリック大墳墓の面々は、人間をそろって見下している節があります。アウラなどのキャラクターは常に天真爛漫なので、そういう描写が見られず、実際どんな風に思っているのか、ということが分かりづらいキャラクターはいますが、基本的にはその認識で間違っていないでしょう。
実際、ソリュシャンはセバスがツアレを連れて帰ってきた際には嫌悪感を各層ともしませんでした。でも、それは決してひどい反応ではないのだと思います。もちろん、私たち人間の観点から見ると、ひどい反応だとは思うのですが、人間よりも上位の存在である彼女らの視点から見ると、それは当たり前の反応だと思います。
たとえば、捨て犬を拾ってきた子供に対して、なぜ拾ってきたのか、という疑問をぶつける人は少なくないと思います。状況的にはそれをもっとひどくしたような状態です。人間は別に犬を見下しているわけではありません。犬ではなく、たとえば弱っているゴキブリなどを拾って帰ってきた、という状況を想像すれば、ソリュシャンが浮かべたような表情を浮かべてしまうことも自然か、と思うことでしょう。
しかし、そこで疑問になるのが、どうしてセバスはそういう風に人間を見下したような態度を取らないのか、ということです。モモンガはアンデットではありながらその中身は元々人間なので、その反応も頷けます。でも、セバスは違うのです。元々からアンデットのNPCとして作られたセバスにとっては人間とは下等な生物でしかないはずです。
想像でしかありませんが、きっと彼がそんな風に考えられるのは、彼を作ったたっち・みーの意思を継いだからなのだろうな、と思います。彼は困っている誰かを助けることを一番に考えていました。そんな人が作った存在だからこそ、彼はそんな風に困っている誰かを助けているのだろうな、と思います。それが彼にとって下等な存在であったとしても、その条件は揺るがなかったのでしょう。
セバスのそういう紳士的な態度は、人間である私たちからすれば、好意的なものに見えます。ツアレはそれに、きっと救われたと思います。
さて、まだツアレの今後などは決まっていませんので、これからにも期待です。ということで、次回からも目が離せません。