オーバーロードⅡ第2話のあらすじと感想『同盟』

オーバーロードⅡ 第二話 『旅立ち』【あらすじ】
リザードマンの村の上空に現れた謎の雲。八日後に襲撃が起こる、ということを予告し、その雲は消えた。
村の長曰く、その雲は第四位階魔法という高度な魔法で作られたもの。それに対抗するためには今のままの戦力では厳しいとザリュースは進言する。そして、彼はかつての戦いで起きた種族同士での軋轢を超えてでも、全種族で同盟を結ばなければならない、ということも同時に提案するのだった。
彼はその提案をしながらも、その裏には部族を残していくためになんとかしなくてはならない、という思いもあった。
そして彼はグリーンクロー族の代表として、早速レッドアイ族の代表候補であるクルシュと謁見する。
『同盟』【感想】
ザリュースの聡明さが光る回でした。彼は旅人ということでグリーンクローの部族の中ではどちらかというと弱い立場にいるようでしたが、フロストペインというリザードマンにとての重要な武器を持っているところから、重要な存在であると言うことは認められているようです。
実際、彼は旅をしてきた結果、いろいろな知識などを吸収してきたのでしょう。ザリュースの兄であるシャースーリューも特に偏執的な考え方をしているというような様子は見られませんでしたが、やはり柔軟に物事を考えることは、ザリュースの方が長けているのでしょうか。
その決断の中には、冷酷とも思われるようなものも含まれてはいました。それが、部族間での口減らしも戦いを受けることとしての目的に含んでいる、ということでした。彼らは元々、食糧難から存続の危機に追いやられていました。それによって起こった戦いもあったようでした。
ただ、それが残酷で、部族を動かす責任を持つものとして、適していない考え方なのかと言われると、そうでは無いように思います。
彼の最大の目的は、部族を最終的に残すため、ということでした。部族、というよりここでは種族、といった方が正しいのかもしれません。グリーンクローのリザードマンとして、というのはもちろん大事なのでしょうが、それ以上に、リザードマンという部族を残す、ということを彼は一番に考えているように思いました。
実は、本当に種族のためを思っている施政者というのは、こういう時に冷酷に思えるような決断もできる人なのかもしれません。きっと、彼は自分のことを考えてそういう決断を下しているわけでは無いと思います。
自分のことよりもまず、全体としてのことを考えることができている、というのはやはり聡明で勇敢だからこそなのでしょう。
もちろん、その中でも自分の望みを叶えるためにクルシュとの謁見で自らの思いを告白していた訳なのですが。そのときのザリュースの様子はなかなか面白かったように思います。やはり、こういうところを見ても、残酷な人柄をしているわけではないんだろうな、ということがうかがえます。
さて、この同盟は果たしてうまくいくのでしょうか。そして、ナザリックの侵攻に、対抗することができるのでしょうか。次回にも期待が高まりますね。