ケンミンショーで紹介の手羽先の世界の山ちゃんと風来坊について
ケンミンショーに名古屋名物手羽先登場
次回のケンミンショーに取り上げられるテーマは「手羽先」だと聞いて、まっさきに思い浮かんだ店名は世界の山ちゃん。
ですが、手羽先のローカルエリアである名古屋で手羽先=山ちゃんっていう認識はあまりない、というか「山ちゃんなんて邪道でしょ」ていう名古屋人が多いらしいと知って驚いている関東人です。
名古屋人が推す手羽先のお店「風来坊」と「世界の山ちゃん」、同じ手羽先専門店でもファンが分かれるということは何かしら理由があるんだろうか。調べてみました。
世界の山ちゃんと風来坊の歴史と店舗展開
風来坊は1963年ごろ。小さな料理屋で出した鶏の唐揚げが大好評を得たのが始まりです。
もともとは若鶏の半身を丸ごと使ったターザン焼きが看板メニューでした。
ところがある日、発注ミスで鶏肉がなく仕方がなくダシを取るために仕入れてあった手羽先をターザン焼きの味付けをしたところ、身が小さいため、タレが身に染みわたり、また3~4口で食べ切れるサイズが酒のつまみとしてちょうどよく大ヒットし看板メニューとなりました。
一方の今では創業者山本重雄氏の似顔絵の看板ですっかりおなじみの「手羽先で有名な居酒屋」の認識が強い世界の山ちゃんですが、1981年の創業当初は焼き鳥屋さんでした。
近場にあった風来坊からヒントを得て手羽先を始めました。しかし、風来坊の手羽先独特のタレは再現できなかっため、独自のスパイシーな味付けにして売り始めて人気に。あふれかえるお客さんのためにお店を増やしていった結果、あっという間に名古屋を埋め尽くしました。
世界の山ちゃんと風来坊は犬猿の仲?
同じ手羽先を看板メニューとする両店、なにかと比較されがちで仲が悪いんじゃないかとささやかれるわけですが、山ちゃん派と風来坊派の論争はお客さん側だけみたいですよ。
そもそも山ちゃんは風来坊の手羽先の味、調理法を認めたからこそ「手羽先は売れる」と思ったんですから、風来坊あっての山ちゃんということになります。
また世界のやまちゃんの創業者である故山本重雄氏自ら「手羽先を考案したのは風来坊さん」と公言し、あくまでも元祖風来坊に対してリスペクトを忘れないのが揉めない理由でもあります。
ただし、手羽先を愛する地元名古屋の領土争いにはどちらも負けたくないはず。表沙汰にならないだけで敵対心がないはずがない!と思いますがどうでしょう。
世界の山ちゃんと風来坊の手羽先はどう違う?
お客さんは歴史を比較してるわけじゃないですからね。味を比較して争っているはずです。
世界の山ちゃんの手羽先の特徴は、スパイシーさと甘さの共存ですね!甘さだけに偏ればこってりとお腹に重たいだろうし、胡椒の辛さが強すぎればうま味も何も感じなくなってしまう。
その両方のさじ加減が絶妙だから手が止まらないだろうな。ビールのつまみとしては満点です。手羽先はL字型、手の先の方もついています。味が染み込んだ皮をバリバリむいて食べるのが最高。
では本家の風来坊。ごまがかかってます。こちらも甘辛のタレと胡椒で味付けされていますが、醤油っぽい風味があって辛さがそれほど強くなく、肉自体のうま味が引き立ってます。
子どもが食べても辛くないので、家族で居酒屋メニューが楽しめますね。手羽先はI字型、先の方はついていなくて肉厚の部分のみを揚げています。
世界の山ちゃんと風来坊の手羽先以外は何がある?
どちらのお店も、お酒を提供する居酒屋さんという認識で間違いなさそうです。大きな違いは、居酒屋っぽいかそうじゃないか。
世界の山ちゃんはファミリー層を狙っているのか女子ウケを狙っているのか、おつまみっぽくないメニューがあります。
例えばカレーとか、名古屋名物あんかけスパゲティとか。
もちろん居酒屋メニューもあるんですが、つまみじゃなくお腹にたまるものが食べたい、二軒目にラーメン屋に寄って帰るのが面倒という人は山ちゃんだけでお腹いっぱいになるかと思います。
風来坊はというと、これぞ居酒屋!と思うおつまみメニューが多いのが特徴です。ひと言で表現すると「硬派」な手羽先居酒屋。
手羽先以外にも鶏料理のメニューがたくさんあります。創業者の強い意志が感じられて好感がもてます。しかも牡蠣の土手鍋や赤出しなどの名古屋っぽさも取り入れています。
色んなメニューをワイワイ楽しめるのが山ちゃん、おつまみと手羽先を味わいながら静かに酒を呑むのが風来坊、といった雰囲気ですね。
店舗展開はまさかの互角
世界の山ちゃんは日本国内に69店舗、アジアを中心とした海外に7店舗あります。
海外では「世界の山ちゃん」の名前をパクったお店まである人気ぶり。愛知県内には32店舗、関東エリアにも24店舗と広く展開しています。
風来坊は日本国内に68店舗、アメリカ・ロサンゼルスに1店舗展開しています。愛知県内は49店舗で、関東は東京と埼玉あわせて3店舗と少ないのが特徴です。
店の味を守るために、師匠のお墨付きが出るまでは暖簾分けをしないという方針を守ってきた風来坊ですが、店舗数は世界の山ちゃんとそれほど差がないんですね。
山ちゃんは需要が多そうな関東にも手を広げ、多くの人においしさを味わって欲しいという意図がうかがえます。
風来坊は中部地方をメインに展開していて、育んできたおいしさを変えることなく守っていきたいという頑固さのようなものを感じますね。
結果どちらもうまい
どちらかにファンが偏らずにここまできているということは、どっちもウマイということです。食べ比べをして好みの店を見つけたいですね。
- 執筆者 - 山中いさお - バラエティー番組 - バラエティー番組 - ケンミンショー - 食べ物
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