フルメタル・パニック!2002年版20話の感想『宗介の心のくすぶり』

フルメタルパニック!第二十話『ヴェノムの火』あらすじ
テッサはウィスパードとはどういう存在なのかをかなめに語る。ブラックテクノロジーの宝庫であるウィスパード。
ウィスパードは思考を強振させることもできるということも語る。それは有効な力でありながら危険な力でもあるという。そこで初めて彼女は自分が狙われている理由を理解することに。
そんななか彼らは徐々にガウルンへ近づいていく。彼の乗るAS、ヴェノムの危険性をカリーニンは語る。その任務が成功するかどうかは、宗介にかかっているのだ……。
そしてとうとう、決戦が始まった。
感想『宗介の心のくすぶり』
ついにガウルンとの決戦のために出撃した彼ら。やはりラムダドライバ搭載の機体に対してはラムダドライバ搭載のアーバレストでしか対応できません。
ただ、その時マオが言った「かなめだけじゃなくて、私たちも守るつもりじゃないでしょうね?」というセリフには考えさせられるものがありました。
前回のヘルマジスタンでの戦闘から、自分のせいでメンバーが殺されてしまった、という思いを抱えていた宗介。
そして、その二の舞にならないように、ラムダドライバという相手に対抗するための唯一の手段を持っている自分が最前線に立って戦わなければ、勝利することはできない、ということを理解してしまった彼にとって、そのセリフは救いになったのではないでしょうか。
たとえマオやクルツたちがプロフェッショナルであるとはいえ、その常識をも覆してしまうめちゃくちゃな装備であるラムダドライバの前では、そのセリフは強がりにすら聞こえてしまいます。
それでも、その言葉があるかないかで彼の内心は大きく変わるんじゃないかな、という風に思いました。
ですが、そんななかでなぜか作動しないラムダドライバ。AIのアルもなぜか返答しない始末。どうしてそんなことが起こってしまったのか宗介にもわからないままの時に、マオがやられてしまうという大事に。
窮地に立たされてしまった彼らを救ったのはクルツだったのですが、この失敗が彼の心にしこりを残しただろうということは想像にかたくありません。それも、自分を勇気づけてくれたマオの前で、それをうまく使うことができなかった、ということが宗介にとってどれほど大きな負担になるのか、ということを思うと、頭を抱えてしまいます。
まじめで、誰よりも仲間のことを思っている宗介。彼が冷酷にも見える判断をするのは、だれよりも仲間のことを思っているからで、自分のことより誰かのことを守りたいという思いがあってこそなんです。
そんな宗介にとってマオが敗れる(死んではいないんですが)という経験は、かなりの痛手になるんだろうな、と想像されます。もしかすると、この辺りの経験も後々の話にかかわってくるかもしれません。
さて、クルツの活躍によってヴェノムを倒すことができた彼ら。意外とあっけなく敗れたガウルンは投降します。彼は一体何を企んでいるのでしょうか。
そのあたりにも注目しながら、次回をお楽しみください。