フルメタル・パニック!2002年版21話の感想『デンジャー・トラップ』

フルメタルパニック!第二十一話『ディープ・トラップ』あらすじ
重傷を負ってしまったマオ。しかしそれを誰も責めようとはしない。その中で宗介は自らのミスで彼女を危険にさらしてしまったことを責める。心に傷を負った宗介にはかなめの言葉も届かない。そのせいで二人の心の距離は空いてしまう……。
一方、おとなしく連行されていくガウルン。カリーニンは彼に対して交渉する気はないということを告げる。しかし、カリーニンはガウルンがそんな無意味な投降をすることはないと警戒する。そして、隊のものに最大限の注意を払って扱うようにという。
そんな中で、ミスリルの中にガウルンの味方がいることが明らかに……。
感想
ラムダドライバをうまく扱いきれなかったことに心を荒ませてしまう宗介。その姿を見ているともどかしくて、見ているこっちがいらいらしてしまいます。
たぶん、そういう人間的な感情をあまりのぞかせることがなかった宗介がそのような心の動きを見せたことで、そういうもどかしさを抱かせたのかな、という風に思います。かなめに出会う前の宗介がしっかりと描かれているシーンはあまりこれまでなかったので、何ともいうことはできないのですが、きっと彼はかなめに出会ってから変わっていったのでしょう。
きっと、これまでは軍人として、そして兵器として戦い続けてきた宗介。そんな宗介にとって、ミスをすることは許されないことで、それを許してくれる人はいなかったのです。そして、自らが信じることができる武器だけを使って、それで戦う、それが彼にとっての当たり前だったのです。
そんな中で、発動条件もあいまいで、どんな効果がでるのかもいまいちわからないラムダドライバという武器を渡されて、それをうまく扱いきれないまま仲間を危険にさらしてしまう、というのは、彼にとってとても耐えられないことだったのでしょう。
そして、それを心配してくれる人間が現れたということは、彼にとっての大きな変化といえるのでしょう。
宗介のことを一人の人間として確かに扱ってくれる人間(もちろんマオたちも人間として扱ってはいたのでしょうが)。軍人としてではなく、戦争バカとして、対等な人間として扱ってくれる人間。そんな存在が、彼を追い詰めてしまったのです。
これまで抱いたことのないような感情の中で彼はそれを制御しきれないまま、かなめを傷つけてしまいます。それはきっと、彼がこれから前へ進み続けていくために、必要なことだったのです。
そして、隊の命令を破ってクルツとともにかなめを救助に向かった宗介。そんな軍への背反ともいえるような行為を宗介がとったのは、きっと修学旅行の時、かなめを救いだそうとした時以来です。彼のその行動が吉と出るのか、凶と出るのか。
さて、ガウルンに乗っ取られてしまったダナン。AIまで乗っ取られてしまったダナンは窮地に立たされてしまいます。
それが一体どんな結末を生み出していくのか、というところも注目ポイントでしょう。
それでは次回に乞うご期待です。