フルメタル・パニック!2002年版15話の感想『故郷にある過去』

フルメタル・パニック!2002年版15話の感想『故郷にある過去』

フルメタルパニック!第十五話『故郷に舞う風・前編』 あらすじ

 海に来たかなめ。クルツやマオの姿は見えるも、しかしそこには宗介の姿はない。

 

 その時宗介はある男を暗殺するという指令が下される。その存在とは、もう死んだと思われていたガウルンだった。そして宗介は、彼とガウルンの因縁の土地、ヘルマジスタンへと旅立つこととなった。

 

 ミスリルの他部隊のメンバーとともに飛行機にのるが、宗介の身なりを見て、彼らは敵愾心を向ける。雲行きが怪しくなる中、彼はそんなものには目もくれず、自らの過去を思い出していた……。

感想『故郷にある過去』

 前回の話とは打って変わって、出だしからシリアスな雰囲気を醸し出している今回の話。

 

 メンバーたちの態度もグレイ以外は宗介の話に聞く耳ももたないというのがなんとなく嫌な予感を漂わせています。コダールの持っていたラムダドライバの恐怖を知っている彼だからこそ攻撃をしないように制止していたのに、それを聞かないチームのメンバーは勝手に飛び出していってしまいます。宗介のその言葉をきかなかったために彼らはガウルンたちの手に落ちてしまいます。

 

 自分の知らないことを知っていると勘違いして、軽視してしまうことがどれほど危険なことなのか、ということが描かれているように思いました。実際「それくらいどうってことない」とやったこともないことを自分のしっている常識で判断してしまって痛い目にあった、という経験をしたことがある方も少なくはないと思います。

 

 ラムダドライバと、それを搭載したガウルンたちのASのスペックを軽視した彼らは、とても小さくはないダメージを負ってしまうこととなりました。もしその時宗介の言葉を聞いて作戦を中止して、好機をうかがっていればこんなことにはならなかったでしょう。

 

 きっと、宗介自身も自責の念に駆られているでしょう。ガウルンによって仲間を奪われた経験のある彼にとって、それ以上に誰かを失ってしまうことは、しかも、払う必要のなかった犠牲を払ってしまうということを許すことはできないでしょう。

 

 彼はそういう男です。軍人として、時に冷酷さも見せる彼ですが、決して仲間のことをただの道具だとしか思っていないような冷血な人間だというわけではありません。その時に摂りうる最善の策をとる。彼はそれを徹底しているだけなのです。

 

 彼の人生の中でもかなり重要な記憶をつかさどる場所、ヘルマジスタン。そこで彼にとっての悲劇は繰り返されることになってしまうのでしょうか。それはたぶん、彼が宗介の言葉をどれほど真摯に受け止めるか、そして、ラムダドライバという人智を超えた装備の存在をどれだけ真摯に受け止めるか、ということにかかってくると思います。

 

 そして、物語に新たな人物が登場してきます。宗介の過去にいた、なかなかのキーパーソンがここで登場してくるのです。彼が一体どういう存在なのか。それはまたおいおい明らかになっていくことでしょう。

 

 それでは次回をご期待ください。

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