フルメタル・パニック!2002年版17話の感想『故郷で待ち受けていたもの』

フルメタル・パニック!2002年版17話の感想『故郷で待ち受けていたもの』

フルメタルパニック!第十七話『故郷に舞う風・後編』あらすじ

 始まった宗介たちの戦闘。ザイードの作戦によって不利な状況に追い込まれた彼ら。宗介は何度も背後を取られることに違和感を抱く。

 

 しかし宗介は一人で果敢に敵に挑み、ASを撃破していく。彼はその戦いの中で、戦い方がザイードに似ていることに思い至る。

 

 そんな中、宗介との連絡が途絶える中、彼を除いたメンバーのもとにガウルンが現れる。ラムダドライバを見たのが初めてのM9では手も足も出ない。ガウルンはもちろん宗介の到着を待つことはなく、その攻撃の手を緩めることはなかった……。

感想『故郷で待ち受けていたもの』

 強力すぎるラムダドライバの前に次々と倒れていくM9。決死の覚悟で自爆したバチストも敗れてしまうという絶望的な状況には、思わず目を覆いました。初見では物理法則を無視したラムダドライバに対抗するのは不可能だということがまざまざと見せつけられるような気分で、かなり気分が暗くなってしまいました。

 

 しかも、かつての戦友を自らの手で命を奪わなければならなかった宗介の気持ち、そして、ザイードが立ちはだかったせいで仲間を救うことができなかったという自責の念に駆られる宗介を見せつけられた時にも、言葉を失ってしまいました。

 

 とにかく、今回の話は本当に見ていて苦しい物語で、救われる人が誰もいなかったような、そんな物語でした。無事に宗介が一人帰ることができたことも、果たしてそれが救いだといえるのかどうか、というのも、私にはわかりませんでした。

 

 そんな話の中で、最も印象的だったシーンが、ザイードが空に向かってガトリングを撃ち続けていたシーンです。場所の雰囲気からも、そして、命を途絶えさせながらそれでも攻撃をやめなかったというところからも、その銃撃の持っている意味は何か象徴的で、見ているものをくぎ付けにするような不思議な魅力がありました。

 

 最後に勝つものは予備弾奏をもっているものだ、と言いながらそれを撃っていたザイードが、結局その命を散らすことになった、という皮肉にも、考えさせられるものがあるような気がします。

 

 もう一つ、結局どうしてザイードがガウルンの味方として宗介と戦うことになったのか、というところも気になるところです。途中で、かつての戦友を相手取る気持ちはどうだ、とガウルンに聞かれたときに必要以上に冷静な返答を返したザイードのその心の裏側に何があったのか、というところが少し引っかかるのです。

 

 もしかしたら、ここまでの三話を通して、誰よりも一番宗介のことを思っていたのは、ザイードだったのかもしれません。彼は、敵だったからこそ、宗介をより強くさせるための壁として、立ちはだかったのではないでしょうか。そんな風に思えてなりません。

 

 最大の敵として立ちはだかったザイード。彼とガウルンが宗介の中に残した傷はとても深いものでした。最後に彼を救ったのは、無邪気なかなめの寝言。そんな風に見えるシーンが最後にえがかれていたのが、せめてもの救いだったように思います。

 

 見ているのが苦しくなるようなここまでの三話。しかし、この経験が、宗介にとって大きなものを残したことは言うまでもありません。

 

 それでは次回、どのような事件が彼を待っているのか、ご注目ください。

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