フルメタル・パニック!2002年版10話のあらすじと感想『ラン・チェイシング・ラン』

フルメタル・パニック!2002年版10話のあらすじと感想『ラン・チェイシング・ラン』

フルメタルパニック!第十話『ラン・ランニング・ラン』あらすじ

 仲直りをしようとしたかなめは部屋にいるテレサ・テスタロッサ(テッサ)がいるのを見つける。帰ろうとするかなめだったが、テッサから事情を聞くが、テッサの悪ふざけのせいでなかなかテッサが大佐だということを信じてもらえない。

 

 しかし、捕えていた少年の腕から発信器が発見されたところから、事態がきな臭くなってくる。テッサは事情を話し、かなめは一応信じるが、事態に巻き込まれたことに憤慨する。

 

 三人の関係性が悪くなる中、かなめの行動のせいで事態は泥沼に……。

感想

 今回はかなめの大暴走、というような印象を受ける回でした。

 

 基本的にかなめは勝ち気な性格な女の子です。その強気が宗介たちを巣くうことにつながったことも少なくは無いので、それが悪いところだとは言えないのですが、今回はその強気が裏目に出てしまうようなことが多かったように感じます。

 

 まず、少年に対して嫌みを言うシーン。そのシーンを見せられたときにはなかなか嫌な気分になってしまいました。なんというか、弱い立場にいる人間に対して強気に出ている、というのはあまり見ていて気分の良いものでは無いと思います。

 

 そして、少年を引き渡す際に、宗介が生んだせっかくの逃げるチャンスをふいにしてその少年を取り押さえようとしたシーン。かなめがもし余計なことをしなければ、テッサとともにかなめは逃げることができたでしょう。しかも、そのときに宗介はグレネード弾を食らって生存が不明になってしまいます(結局生きてはいるのですが)。

 

 見ている側の人間としては、かなめは何をやっているんだ、と突っ込みたくなる気分になってしまいました。

 

 かなめはそれまで戦争などとは無縁の世界に生きている女子高生でした。そういう人間にとっては、自分なりの正義というのは、どちらかというと綺麗事に近いような正義なのでしょう。実際、私たちが感じているような正義も、綺麗事だと言われてしまうような正義なのでしょう。

 

 誰もが傷つかない、誰をも幸せにしたい、そういうことを望んでいるような、都合の良い正義なのでしょう。ウィスパードであるとは言え、その実普通の女子高生に過ぎないかなめにとっては、その正義感を抱いているのは自然なことなのでしょう。

 

 でも、彼女の身を置いてしまった場所というのは、それで綺麗に片が付く場所では無いのです。むしろその逆で、時には命を犠牲にして、必要悪を見過ごさなければならないような選択を迫られることが多いような世界なのです。宗介やテッサたちが生きている世界は、そういう残酷な世界なのです。

 

 果たしてかなめはそのことにいつになったら気づくのか。それを受け入れることができるのか。もしくは、その世界をかなめの価値観が通じる世界に変えてしまうことができるのか。

 

 その結論は、まだ出そうにはありません。

 

 ですが、物語は続きます。生きているかが分からなくなった宗介。そして、捕えられたかなめやテッサ。果たして彼らは無事に事件を収束させることができるのでしょうか。

 

 こうご期待です。

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