フルメタル・パニック!The Second Raid7話のあらすじと感想『かなめを残して』

フルメタル・パニック!TSR第七話『とりのこされて』あらすじ
宗介が外れ、かなめの警護の全権を委任されたレイス。しかし、かなめの身に危険が迫ったときにも手を出す気配がなかったレイスに対して、不信感が募っている宗介にとって、その命令はどうしても受け入れがたいものだった。
ただ、レイスの言うことはどれも事実。結局、そんなことは露知らず、かなめは宗介と距離が近づいたことで喜んでいたかなめを残し、宗介は、命令通りおとなしく帰投するよりほかなかった。
しかし、一方で敵の動きは彼女に迫りつつあった……。
感想『かなめを残して』
こんなに悲しい回は今までになかったと思います。ハラハラさせられることはありましたが、こんな風な気持ちにさせられたことは、フルメタルパニック!一期からこれまでの全編を通してみてもなかったように思います。
ようやく宗介とかなめのお互いの距離が縮まってきたと思ったら、そのとたんに別離を味わわせるなんて、なかなか酷な展開だと思いませんか?
しかも、その代わりにかなめを守るというのがレイスとかいう謎の存在。実は一期の時期からかなめの警護に当たっていたレイスですが、そんな存在ほとんど感じられませんでした。つまり、レイス自身がほとんど仕事していない、ということですよね。
そんな相手に、自分の命を懸けて守ってきた人を任せられると思いますか? 私なら絶対に嫌です。一期を見ていた方ならお分かりかと思いますが、A21に狙われていた時のかなり危機的な状況のかなめをも、そのレイスは見過ごしていたわけですよ?
無理に決まってますよね。そんな大事を手をこまねいてみているような人に、これからこの子の命は任せた、と言って預けられるはずがありませんよね。
でも、レイスはそんな宗介に対して、正論をぶつけてねじ伏せてしまいます。宗介も別に頭が悪いわけではありません。
でも、何分まじめで実直で人をだましたり言葉でねじ伏せたり(武力でねじせることにかけては彼の右に出るものはそうそういませんが)することは苦手なタイプの人間です。
そんな人間に対して情報部の人間が本気を出せばそりゃかなうわけがありません。そういうことを専門でやってきた人なのですから。
その結果、言葉を失ってしまった宗介はやむなく変えることになってしまいました。支度をしているときの彼の悲しげな表情、「くそっ」と吐き捨てた時の悔しそうな表情は忘れられません。その一言は本当に宗介の思いを凝縮していたと思います。
それでも、かなめに一言も残さなかった宗介はすごいと思います。彼の任務や命令に対する実直さは本当に見上げたものです。もちろん、ここではそれに対する忠誠心だけではない、もっと個人的な感情も絡んできているとは思いますが。
さて、そんなこんなで宗介の身にもかなりの試練が降ってきた今回でしたが、それと同時にかなめの命にも危険が迫っています。ユイファンがかなめに接触を図ってきたあたりから、かなり物語がクライマックスに近づいていることを感じさせられます。
と、いうわけで、次回もこうご期待。