フルメタル・パニック!The Second Raid 11話 『宗介の戦い』

フルメタルパニック!The Second Raid 第十一話『彼の問題』あらすじ
避難する市民に「逃げないと死ぬぞ」と言われた宗介。しかし今の彼に取っては、生きることへの執着など無い。隊員たちは連絡の取れなくなった宗介を心配するが、そんなことは知らず、宗介は一人街をさまよっていた。
一方、ヴェノム捜索に走るミスリルの面々。香港の南北の溝は刻一刻と深まっており、三時間しか時間は残されていないといわれる。その解決の鍵を宗介が握っていると言うことが明らかになるも、宗介はもうマオの隣にはいない。
そんな宗介は香港で見つけたかなめに似た少女を見つけ、その少女に連れられてふらりと街へ消えていく……。
感想『宗介の戦い』
依然くすぶる彼。かなめに似た少女に出会うことで、彼の中にあった彼女の影はより深くなっていきます。その少女の顔にかなめの面影を見た彼がどんな思いを抱いたのか、それは想像するしかありません。ですが、きっと彼の中の何かを奮い立たせるきっかけになったんじゃないかな、と思います。
最後のシーンで、彼は香港を救うための鍵を新聞で見つけます。そのときの彼の表情には使命感のようなものが見えた気がします。前回見せた彼の目とは、少し違っていたように感じたのです。彼を包み込んでいる絶望の中に、一筋だけ、希望が見えたような、そんなきがしました。
もちろん、これは今回の話を見た私の想像でしか無いので、次回彼がどんな行動に出るのか、というところでそれも明らかになるんじゃないかな、という風に感じます。
さて、今回気になったのは、宗介の任務放棄に対してのSRTメンバーの言葉です。彼らは、やっぱり宗介がかなめと出会ってから変わった、という風に言います。私が感じていた宗介の人間的な感情の萌芽のようなものを、みんな感じていたのでは無いでしょうか。確かに、彼は一期を通して見ても、その最初と最後ではまるで人としての考え方が変わって島手入るようにも感じます。
でも、その中でも本質的に人間は簡単に変わることができない、というようなことも語られます。実際それはそうです。どれだけ絶望した宗介の中にも、これまでの人生の中で培われてきた使命感のようなものは、残っていたんじゃ無いかな、と思わされるのです。それが最後のシーンで新聞を手に取ったときの宗介の目には、浮かんでいたような気がするんです。
彼はたぶん、周りから見ても実直で任務に対して忠実な男だと言うことは認められていたのでしょう(というか、彼からそれを取って語ることはたぶんできないと思います)。そんな、誰かのために努力することができる本質というのは変わること無く宗介の中にある、ということなのでしょう。
きっと、彼は次回では自らの使命を思い出して、戦ってくれると、そう信じています。今回の話は、彼自身の内面との戦いを書いていたように思います。そして、彼自身の、かなめへの思いとの戦いでもあったように思います。
その結果が彼にどんな影響を与えたのか、それは次回明らかになるのでは無いでしょうか。そのあたりにも注目しながら、次回にご期待ください。