フルメタル・パニック!The Second Raid 10話『ひとつの思い』

フルメタル・パニック!The Second Raid 10話『ひとつの思い』

フルメタルパニック!The Second Raid第10話『ふたつの香港』あらすじ

 話は宗介に戻る。宗介はクルーゾーに言われたことを思い出し、アルと会話する。そこでアルは、宗介が問題を抱えているのでは無いか、と問う。AIらしくないその問いに、宗介は戸惑いを覚える。

 

 そんな彼は、香港で暴れるASを止めるという任務に参加することに。その偵察に彼らはかり出されるのだ。しかし、そこでアーバレストは使わない、という。その言葉を受けて、宗介は自らの中に残るしこりを自覚する。そんな彼の中に、マオの軽口は響くのだった。

感想『ひとつの思い』

 宗介の目に浮かんだ深い絶望の光。彼の精神に、かなめから遠ざけられたと言うことは深く突き刺さっているらしいことが今回は如実に描かれていました。やっぱり宗介にとって、かなめを警護するという仕事は、それ以上の意味を持っていたんだな、ということが分かります。

 

 アーバレストの操縦もうまくいかない中、彼は追い詰められていきます。それはそうですよね。AIにまで自分が抱えているものを見抜かれてしまっては、もう何を信じて良いのか分からなくなってしまうと思います。

 

 こんな経験を、きっと彼はしたことが無いのだろうな、と思います。それまでは命令に従って、指示通り作戦行動をこなしてきた彼。人間的な感情とは無縁な、合理的な判断に基づいて人を殺し、自らを守ってきた彼。そんな彼に取って、不確実な武器を渡され、さらに、全力を尽くしてきた任務から外される、という経験はこれ以上無い挫折になったのでしょう。

 

 さらに、彼はかなめに出会ったことで、人間的な優しさにも気づいてしまいました。彼自身は本来どちらかというと優しい人間です。仲間の死を悲しんだり、それを引き起こした敵に怒りを覚えたり、というようなことができる人間でした。

 

 しかし、かなめに出会ってからは、その人間的な優しさ、そして、みんなを救いたいという思いなどにも触れてきました。これはきっと彼にとって良い影響も与えていたと思います。

 

 でも、そのせいで、支柱となっていたかなめを失ってしまったことが必要以上のダメージを与えてしまったことも明らかです。

 

 前回の話では、かなめの中で宗介の存在がどれほど大きなものになっていたのか、ということが描かれていましたが、その逆で、宗介の中でもかなめは忘れることのできない存在になっていたことがこれ以上無くはっきりと描かれました。

 

 彼はこの苦境をどうやって乗り越えていくのでしょうか。

 

 しかし、それを状況はどうやら待ってくれそうもありません。激化していく敵との戦い。しかもその中でアーバレストが必要になりそうだと言うこともあります。彼はその中でどんどん追い詰められることになるのでは無いでしょうか。そのとき、彼はどうやってそれを抜け出していくのでしょう。そのヒントは、もしかしたらマオの言葉にあるかもしれません。

 

 彼にとってこの挫折がプラスの経験になってくれることを祈るばかりです。そのあたりにも注目しながら、次回以降を見ていきましょう。

 

 それでは次回もこうご期待。

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