フルメタル・パニック!2002年版22話の感想『オール・オブ・トイボックス』

フルメタル・パニック!2002年版22話の感想『オール・オブ・トイボックス』

フルメタルパニック!第二十二話『ジャック・イン・ザ・ボックス』あらすじ

 ガウルンが艦長となってしまったダナン。狡猾なガウルンの手によって多くの兵士が彼のいる発令所とは反対の格納庫に追い込まれてしまう。しかし何かが怪しいと感じた宗介とクルツだけはその隔離から逃れていた。

 

 一方発令所では、ガウルンに摂られてしまったダーナ(ダナンのAI)を取り返すため、テッサはかなめと共振することで反撃の一手を打つことを考える。しかしそれに気付かれてしまったせいで事態は最悪の展開を見せる……。

感想『オール・オブ・トイボックス』

 つくづくガウルンは卑劣な男です。こんな卑劣な手は一般人にはまず思いつかないような手です。だからと言って作者がそんな卑劣な発想を持っているからだというつもりは全くありません。ちゃんと救いの方法を考えてくれているからこそです。

 

 ミスリル内部の裏切り、かなめのミスから招いた危機。絶望的な状況でも、ちゃんとそれがうまく片付く方向に進んでくれるんだろうということを予感させてくれるのは、それまでの作品を見ていて感じさせてもらえることです。

 

 実際、かなめがミスをしたときにもテッサが立ち上がって戦うということで、テッサの新たな一面を見せるという効果的なシーンの使い方をしただけでなく、宗介とかなめをうまく出会わせるということもそれには組み込まれていました。こういう物語の作り方を見ていると、さすがプロだな、と考えさせられてしまうのですが、やはりそういうところはうまいな、と思います。

 

 今回は物語の展開の中でも重要なポイントではあったと思うのですが、私が好きなシーンが、カリーニンがダナンの存在について白を切っているときのシーンです。この時カリーニンはダナンが攻撃を仕掛けてきたとき、きっと何かが起こっているんだということを察します。たしかにダナンは無意味な攻撃をしかけはしません。ですが、そのなかでもはっきりとした確信をもってダナン、というかミスリルがしかけた攻撃ではない、と断言します。

 

 どうしてこのシーンが好きなのか、というと、カリーニンのかっこよさが光っていると思ったからです。このシーンには、彼の洞察力と信頼がしっかりと表れているような気がしました。

 

 もちろん、カリーニンの声を当てている声優さん(大塚明夫さん)の声が渋いことと、絵がかなり渋いダンディなおじ様であることは関係あると思うのですが、やっぱりそのキャラクターがかっこいいことは外せないな、と思います。

 

 こんな上官がいれば宗介のような真面目一徹の生き方をする部下も生まれるのかな、と感じます。あの洞察力の鋭さと冷静さ、そしてその中にある仲間を思う優しさ。それが彼のような融通が利かないながらも誰かを思うことを忘れない宗介のような人を育てるんだろうな、と思います。

 

 さて、今回のお話はダナン奪還への一手を踏み出すための、つまり希望をつかみ取るためのターニングポイントとなるような回でしたが、仲直りできた宗介とかなめが今後どんな活躍をするのか、というところも注目ポイントでしょう。

 

 では、次回もこうご期待。

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