ブギーポップは笑わない 2019年版アニメ 第18話 感想と解説「あっという間に終わってしまった歪曲王編の解説と総評」

ブギーポップは笑わない 2019年版アニメ 第18話 感想と解説「あっという間に終わってしまった歪曲王編の解説と総評」
  • 第18話「オーバードライブ 歪曲王 5」あらすじ

モニターに映った寺月恭一郎から語られた事実。

それはムーンテンプルで起きている現象は寺月と歪曲王の合作によるもので、

この舞台を創り上げた歪曲王を褒め称えるものだった。

そして最上階まで登ってきた新刻敬は、ブギーポップと共に歪曲王の本体と対峙する。

ついに明らかになった歪曲王の正体を見て、

ブギーポップはなぜ彼が自らを知っていたのかを理解する。

歪曲王は、これはあくまでも実験であり、誰も傷つけるつもりはないと告げるのだが……。

TVアニメ「ブギーポップは笑わない」公式サイト より

感想「あっという間に終わってしまった歪曲王編の解説と総評」

第18話の内容

第17話の後半部分で既に歪曲王が田中志郎であると判明し、今回は種明かしになるのだろうなと予想していました。

 

原作既読の私からすると話の結末を知っていたため、面白かったかと問われると少し微妙なところです。

 

そんな予想通りブギーポップは歪曲王を敵とはせずに見逃し、あっさりと歪曲王編も終わりを告げました。

 

第1話と第2話でかなり紙木城直子と田中志郎のことをカットしてしまっているため結局歪曲王ってどんな話だったの?と疑問を持った方も多いかと思います。

 

『オーバードライブ 歪曲王』に関しては原作小説のネタバレ解説記事がありますので、よくわからない点や原作小説に興味のある方はこちらをご覧ください。

 

 

結局歪曲王とは?

作中でブギーポップが歪曲王に言っていた通り、田中志郎の中に生まれた特殊な能力です。

 

ブギーポップの世界風に言うと田中志郎もMPLSに目覚めました。

 

偶然起こった寺月恭一郎の企てによって多くの人が意識を失い、同時に閉鎖された空間という理想的な状況に陥ったため、人の心の傷を癒すという実験を試みました。

 

作中では心の傷を癒すことを「心の歪」や「黄金に変える」と表現しています。

 

原作小説では人間から“隠された歪み”を引っ張りだす能力と書かれています。

 

またその癒しは強制的なものではなく、自発的に自らの意志でその方向へと向かうように背中を押すようにと歪曲王は能力に指向性を持たせています。

 

ブギーポップと歪曲王の会話によって歪曲王は人の心の傷を癒すために「たとえどんなに道は長くとも、ね」と決意を口にしたことでブギーポップは歪曲王は世界の敵とはならないとして見逃しました。

 

簡単に言ってしまうと紙木城直子を失って大きく傷ついた田中志郎が自分のような存在を作らないように人々の癒しを目的として作られた存在が歪曲王といったところでしょうか。

 

田中志郎の罪悪感がわからない

アニメでは『ブギーポップは笑わない』編を大幅にカットして放送しました。

 

そのため紙木城直子という人物像が十分に描写されておらず、田中志郎との関係も恋人なのだな程度です。

 

原作小説では紙木城直子は二股三股といったように多くの違ったタイプの男性と付き合っており、それでも好きな人ができたと年下の田中志郎に告白しました。

 

田中志郎はその告白にオッケーと返事を返しましたが、紙木城直子という人物はつかみどころがなく、自分は果たして彼女の事を好きなのかと悩んでいます。

 

青春ですねー。

 

そんな悩みから田中志郎は結局紙木城直子に別れを切り出すことを決意しますが、それを言う前に彼女は永遠にいなくなってしまいました。

 

紙木城直子は失踪という事になっていますが、田中志郎はマンティコアという怪物を目撃し事件の解決にも関わっているため彼女がマンティコアの餌食になったと知っています。

 

彼女の気持ちに応えられなかった罪悪感を抱き歪曲王が生まれることとなりました。

 

アニメオリジナル部分

歪曲王の精神世界では歪曲王である人物は目に光を失っているという設定が原作小説ではあります。

 

しかしアニメでは田中志郎が歪曲王だと言い出したときにも彼の目は光を宿しておらず、田中志郎が歪曲王の本体だと言わなければ羽原健太郎は気づきませんでした。

 

原作小説では田中志郎の目に光があることを指摘して田中志郎が歪曲王の本体だと見抜きます。

 

解除コードの打ち込みの描写も原作小説では羽原健太郎は現実の体はまだパソコンの前にあると信じブライドタッチをして打ち込もうとしますが、田中志郎に邪魔されてしまいます。

 

新刻敬が竹田啓司に言った宮下籐花の居場所もアニメでは「さっき会いましたよ」と言っていましたが、原作小説では『初めて会った場所』が竹田啓司の思っていた場所と宮下籐花が思っていた場所で違うんじゃないかと指摘して竹田啓司が自然に宮下籐花の元へ向かうように指摘しています。

 

世界の敵とは?

ブキーポップが相手にした本当の世界の敵が第18話で明かされました。

 

作中でブギーポップが語っていたように『ブギーポップは笑わない』編での世界の敵は早乙女正美、『VSイマジネーター』編での世界の敵は水乃星透子です。

 

総評

2019年版のアニメは夜明けのブギーポップまでの物語を第18話という1クールで収まらない特別な枠で放送されました。

 

作品もかなり昔のものですので原作既読者でライトノベルの挿絵を知っていてもブギーポップくらいしか一目でわかるキャラがいないくらいでしたが、キャラクターデザインも悪くありません。

 

全体的に作画の崩れもなく、アニメとしては良い出来でした。

 

しかし一気に詰め込みすぎたかなと思っています。

 

登場人物がコロコロと入れ替わるためテンポがはやすぎて登場人物を覚えたらその物語は終わっていたなんて印象を持った方も多いかもしれません。

 

またブギーポップは原作小説を読んでいても結局何もしていないというようなところが多く、見どころがわかりにくいです。

 

『VSイマジネーター』はブギーポップの戦闘も比較的多い話なので、最初からもっと丁寧に物語を描写し『VSイマジネーター』までをやったほうが良かったのではと個人的には思っています。

 

第18話の感想・解説は以上です。

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