アニメ進撃の巨人season3第4話あらすじと感想『嗅覚』

進撃の巨人season3 『信頼』【あらすじ】
マルロたちは憲兵団として、調査兵団のメンバーを探していた。しかし、調査兵団が市民を襲っているという事実を飲み込めずにいた。そんなとき、彼らはアルミンを発見し、捕らえようとするが、逆に捕らえられてしまう。
一方、街ではハンジが街で憲兵団から逃げていたフレーゲルを確保する。そこでハンジは、リーブスが黒いマントを着た長身の男によって命を奪われたという事実を聞く。フレーゲルは自分の証言など意味がない、というのだが、ハンジはなんとか真相を明らかにしてやろうと断言するのだった。
その頃リヴァイたちのもとで捕らえられたマルロだったが、彼は自分も仲間になって戦いたい、という。しかし、リヴァイはそれを受け入れようとはしないのだった……。
『嗅覚』【感想】
リヴァイたちの戦いがようやく前に進みだしたような気がします。ハンジとフレーゲルの働きによって憲兵団の仕組んだことが徐々に明らかにされました。
リヴァイがマルロに言ったことではありませんが、彼らが今敵に回しているのは、巨人ではなく、自分たちを支配している「王政」、つまり一つの国です。とても、生半可な覚悟で勝つことができる戦いではありません。圧倒的に不利な状況の中で、そして、味方もほとんどいない中で、彼らは戦わなくてはいけないわけです。
しかし、国によって事実が捻じ曲げられている、というのは、国が自分自身で作ったウィークポイントでも言えるかもしれない、と思いました。何もなかったところから事実を作り上げたというわけではなく、もともとの真実を捻じ曲げた、ということはそれが暴かれたときに拭いきれない不信感を作ってしまいます。
リーブスの命を奪った罪を調査兵団に着せる、というのはミスチョイスだったようにしか思えません。調査兵団の面々は、どこの兵団の人間よりも自分の命をかけて戦うことになれている人間たちです。そんな人間に戦わせるすきを与えてしまったのは間違いだった、というわけです。
実際、ハンジたちの作戦によってそのミスでできた穴は広げられてしまいました。この穴が王政にとってどんな痛手を被るのか、というのは想像しなくてもわかります。間違いなく彼らが明らかにしたのは事実で、捏造されたゴシップなどではありません。ゴシップが広まったあとに真実が明らかにされたとき、その拡散力というのはゴシップが拡散されたときのそれを遥かに上回ります。しかも、普段から国のために命をかけて戦っている調査兵団に関する事実です。それは、国民たちの胸の中にももともと疑念を残していたわけです。
巨人同士を戦わせて街を壊滅させたと彼らではありますが、それでも、何の罪もない市民の命を何の意味もなく奪う人間ではない、ということをほとんどの人間は知っています。やはり、誰かの正義に従うのではなく、自分たちの正義に忠実に戦い続ける彼らというのは強いのでしょう。他の誰でもない自分の覚悟に基づいて戦っているわけですから。
そう考えると、彼らにもまだ一矢報いるチャンスはあるんじゃないか、と信じさせてくれます。これはいろいろな物語を見続けてきた人間の嗅覚、とでも言えるものなのかもしれませんが。
さて、これからエレンたちはどんな反撃をしていくのか。これからの展開に期待です。