進撃の巨人season3 アニメ第11話(48話)のあらすじと感想『選ばれなかった者』

進撃の巨人season3 第11話 『傍観者』 あらすじ
ヒストリアが王になって二ヶ月。彼女は孤児院を設立するなど、困っている国民を助ける政治をしていたために、国民からの信頼も厚くなっていた。
一方で、エレンの硬質化の能力を得たことによって壁の穴は塞がれ、新たな武器も完成させられた。巨人に対する力が増えたこと、そしてその作戦中に発見されたいろいろなものによって国には希望が見えてきていた。
しかし、エレンは自分たちが戦っている相手はなんなのか、ということに悩み始めていた。その巨人が自分たちと同じ人間なのだとしたらどうなのか、ということを考えていたのだ。それをみたライナーは、もっと考えるべきことがあるだろうと苦言を呈する。
そして彼は思い出すのだ。キースが重要な鍵を握った人物であるということを。
【感想】
まさかあのキース教官がエレンたちの過去を知っていたという事実には驚きを隠せませんでした。
しかも、彼が何の成果も得られなかったと絶叫した調査兵団の団長だったというのはもっと驚きです。
それを結びつけたエレンの発想力もなかなか驚きでしたが、そんな秘密が隠されていたとは、思いもしませんでした。
しかも、訓練兵団時代の彼の立体機動装置にうまくいかないように細工したのも、彼だったんですね。
しかも、エレンを守るためだとか言う理由というよりは、彼が選ばれた人間ではなかったのだと思うためだったという理由だったとは……。
さて、そんなふうに明らかになった過去ですが、今回はキースの過去に迫った物語になっていましたね。
あの鬼教官が、実は過去にこんな挫折をしていたんですね。
自分が選ばれた人間ではない、という事実を突きつけられたとき、彼はどんなふうに思ったのか、ということについては考えさせられます。
こういうことは現実でもよくあります。
誰でも、自分はなにか特別な才能なんかを持っているんじゃないか、と人は誰しも一度は思います。
でも、そんな誰もが、いつかは気づくんです。自分は特別なんかじゃない人間なんだということに。
もちろん、それが誰に対しても何の成果も残すことができないというわけではありません。
でも、人類すべてを動かしてしまうようなムーブメントを起こすことができない、というだけの話です。
そんなふうな、いわゆる凡人の1人だったわけです。
キースという人物も。彼がグリシャに対していった「また呪いをかける気か」という言葉には震えさせられてしまいました。
キースはグリシャに言われた何気ない一言にこれほどまでに縛り付けられてしまったわけですから。
選ばれた人間である、ということは人に自信を与えます。ただ、その自信が虚栄になってしまうこともあるんだということを、今回は考えさせられてしまいました。
でも、それでも良いんだ、という救いもありました。それは最後のエレンの母のセリフです。
彼女はエレンがただ生まれてきてくれただけで良い、と言いました。選ばれたものじゃなくたって、特別な力なんか持っていなくてもいいんだ、と。
それが救いとなるかどうかは、人によって違うでしょう。
でも、今回の話を見ている上では、それは救いにもなりうるんじゃないか、というふうには思いました。少なくとも、キースにとってはそれは他でもない救いになったのでしょう。
さて、そんなふうに過去があかされたわけですが、それを知った今、彼らは次にどんな行動をとるのでしょうか。次回からも目が離せません。