アニメ進撃の巨人season2第8話【33話】『取り残されること』

進撃の巨人season2 第八話 『追うもの』 【あらすじ】
超大型巨人の落下によって敗北を喫してしまったエレンは、ライナーたちに連れ去られてしまう。同時に、ミカサたちも超大型巨人の起こす熱風、衝撃などによって軽くはない打撃をこうむることに……。
一方、ピクシスは壁の状況を調査している先遣隊を待っていた。壁に穴が開いているはずなのに、どうしてか巨人はほとんど現れていないという状況に彼は覚えていた。
そこへ現れた先遣隊からは、壁に穴が開いていないという報告が。そして、同時に104期調査兵団の中に三人の巨人化能力者がいたということも知らされるのだった……。
『取り残されること』【感想】
今回、エレンに取り残されたミカサ、アルミンの回想、そして、ハンネスの言葉を聞いて、なんというか、エレンという人物が主人公っぽくないな、ということをなんとなく感じてしまいました。
エヴァンゲリオンで碇シンジがそれまでのアニメから考えると確信的だった、ということはよく語られますが、エレン・イェーガーという人間も、どちらかというとそういう人間なんじゃないかな、という風に思ってしまいました。
まだライナーやベルトルトの目的が分からない状態なので、何とも言えない節はありますが、どちらかといえば、ライナーの方が主人公っぽい性質を兼ね備えているようにすら感じてしまいます。
一般的に、こういう巨悪と戦うような物語の主人公は、自分の力を使うタイミングでは、「誰かを救いたい」という思いが根本にあることが多いように思います。性格的にも、心優しいことが目立つような描写が多くされていると思います。
ですが、エレンの場合はどうでしょうか。
心優しいという描写は確かに見られます。ですが、エレンの描写の大半は、ぎらぎらとした目的意識に基づいて行動しているというシーンです。
そして、その目的意識というのも、個人的な感情に基づくものが多い、というシーンが多く見られます。アニ戦でも、救えなかったことを悔いているシーンはありますが、それでも、自分の力を使わなかったことの後悔というものがどちらかといえばその根本にあります。
そして、彼が調査兵団に入った大きな理由は、巨人を駆逐する、というものです。しかし、これは人類を救いたいから、というよりは、巨人というものが生きていていいものではないから、という個人的な感情の発露から出てきているものです。
こうしてみると、なんとなくですが、主人公のライバル的な立ち位置で出てくる悪役のような性格を持っているように感じてしまいました。彼は、主人公として存在するには、あまりに目的意識がはっきりとし過ぎていて、とがり過ぎているのです。例に挙げるとすれば、僕のヒーローアカデミアの爆轟などはそのような人物といえるかもしれません。
周りを置いて、一人で進んでいってしまう。周りが見えなくなってしまう。そういうところを見ると、なんとなく、違和感を覚えてしまったというわけです。
とはいっても、この物語の主人公は間違いなく彼なのですから、彼がいないと物語が成り立ちません。そんな彼が奪われた今、彼らに残されている時間は決して長いとは言えません。
ミカサたちがいかにして、戦うのか、そのあたりに注目して、次回も見ていきたいと思います。