進撃の巨人アニメ第24話あらすじと感想『大切なもの』

進撃の巨人 第二十四話 『慈悲―ストへス区急襲②―』【あらすじ】
明かされた女型の巨人の正体。それはアニだった。
エルヴィンはストヘス区でその人物を捕える作戦を伝えるのだった。アルミンの推理によって、彼女が巨人であると言うことが突き止められる。
エレンの顔を知っていたこと、実験体に危害を加えたという事実、戦闘技術の酷似というところから、証拠は薄いながらも、彼らは決死の作戦に出るのだった。
しかし、その企みに気づかれてしまったために一つ目の作戦は失敗し、アニと戦うこととなってしまうのだった。そんな中で、エレンはアニと戦うことに躊躇してしまって、うまく巨人化することができないままだった……。
『大切なもの』【感想】
エレンは元々、優しい人間なんですよね。あれだけ巨人を駆逐してやる、と目をぎらぎらさせていても、その本質にはやっぱり仲間を信じたい、友達を守りたい、という優しい思いがあるんです。だから、精神的に強い人物に見えて、実はもろい部分も持っているんですよね。たぶん、アルミンたちよりもその本質には、人を信じたいという思いであったり、傷つけたくないという思いであったり、そういうものがあるんだと思います。
だからこそ、巨人を駆逐するという思い自体は強く残っているんじゃないかな、とも思います。大切な人を誰よりも傷つける存在、それが巨人だからです。
でも、今回はそんな思いがあだになってしまいました。アニが巨人だったから、仲間とは戦いたくない、という思いがエレンの巨人化を邪魔してしまいました。その間に犠牲になった調査兵団の面々もいると思うと、彼が巨人化に内心でためらってしまっていたせいで、無駄な犠牲が増えてしまったともいえます。
ただ、実際仲間が敵だったと知らされたとき、そんな簡単に割り切ることができるのか、ということを考えると、それも難しいんじゃないかな、と思ってしまいます。もし僕がそれを知らされたら、きっとすぐには切り替えられず、苦しむことになっていただろうと思います。
ミカサやアルミン、そしてジャン達はその事実を冷静に受け止め、たとえ敵がアニであったとしても、戦い抜くということを決めましたが、それは彼らの精神があまりに強すぎるから、という風に思います。
決して、彼らが優しくないとかそういうことを言っているわけではないんですが、彼らは優しくいるにはあまりに多くのものを失いすぎたのでしょう。
アルミンの言う、時には大切なものを捨てなければいけないときもある、という言葉は、大切なものを失ったことがある人間だからこそ言える言葉だと思います。
大切なものを失いたくないから巨人を倒したい、と思っているエレンにとっては、もしかするとその言葉というのは受け入れがたいものだったのかもしれません。
でも、それを乗り切って、最後には巨人として立ち上がった彼。彼がアニを止めることができるのか、ということが、次回以降では描かれることでしょう。彼らの命運を祈って、次回を待つしかありません。