進撃の巨人 第10話アニメあらすじ・感想『命の行方を決めるのは』

進撃の巨人 第十話 『応える―トロスト区攻防戦⑥―』【あらすじ】
実際の戦いの中で、巨人への恐怖と命の危険を感じた訓練兵たちは、自信を喪失していた。そんな中、壁の中から煙が上がるのが見えた。ライナーたちはその煙が上がった方へ飛ぶ。
そこには、むき出しの巨人の骨格が。その中からはエレンが現れたのだった。エレン自身何が起こったのかは分からないままだったが、彼は自分の家の地下室に全ての謎が隠されていることを思い出す。
混乱に乗じて地下室へ行こうとしたが、エレンの体には巨人化だけでない異変が。彼は自分をかばったミカサやアルミンとは分かれ、一人で行動したい、ということを伝えるのだった。しかし、もう一つの方法も同時に、伝えるのだった。
【感想】『命の行方を決めるのは』
今回はアルミンがめちゃくちゃかっこよかったです。その後ろで、アルミンを信じて待っているミカサとエレンの表情もかっこよかったです。
アルミンは結構内省的な性格で、自己評価が低い節がありました。たしかに、彼はミカサとエレンに比べれば戦闘力が低いせいでいわゆる「弱い」人間に見えてしまう部分が多かったのは真実でしょう。実際、そういう面では弱い人物です。でも、彼の強さはそこにあるのではありません。
彼は、頭が良く、かつ、ここぞという時の度胸はエレンやミカサにも負けないものを持っています。もし、自分の行動次第で家族同然に大切な二人の人間の命の行方が決まってしまう、という状況に置かれてしまった時に、あんなに堂々と言葉を発することができるかな、と思うと、その強さを実感できるような気がします。
しかも、自分の命はおろか、二人の命も背負っている、というプレッシャーが大きすぎる状況の中で、冷静に頭を働かせ、結論を導く、という芸当は誰にでもできることではないでしょう。そのあたりには、アルミンの地頭の良さがにじみ出ているような気がします。
エレンの言ったとおり、ここぞと言うときの彼の言葉の力問いのは、ピクシスの心を動かすには十分すぎるほどの説得力を持っていたわけです。アルミン自身が言っていたことですが、命をなんとしてもつなぎ止めなければいけない、という思いがあってこその説得力ではあったのでしょうが、それでも、何の根拠もない言葉では人の心を動かすことはできません。
もちろん、それに応えたピクシスの男らしさも際立っていました。危うく彼らが砲撃の餌食になりそうになっていたところを、彼はすんでのところで止め、理論的には筋が通っているアルミンの言葉に耳を貸し、得体の知れない存在を受け入れようとしました。それもまた、並みの芸当ではないように感じます。
普通は巨人の中から人間が出てくるなんていう状況はあり得ないわけで、それを受け入れて、危険か安全かも分からない人間に未来を託送とするなんて言うのはめちゃくちゃなことでしょう。
でも、その理解力があったからこそ、彼らは救われたわけです。
さて、アルミンが出した街を救うための作戦。彼らは、エレンの謎の包まれた巨人化の能力を受け入れることができるのでしょうか。次回以降からも目が離せません。